【軟口蓋過長症の手術体験談】手術をしたきっかけと術後までを解説!
「うちの子は軟口蓋過長症なのかな?」
「手術をしたほうが良いのかな?」
フレブルの多くがかかっているとも言われている軟口蓋過長症は、鼻と口を分けている「軟口蓋」と呼ばれる部分が他の子と比べて長くて分厚くなってしまっていて、気道の入り口が塞がれて呼吸がしにくい病気です。
愛犬ももきちも軟口蓋過長症と診断され、手術を済ませています。
それまで軟口蓋過長症が疑われる症状は下記が出ていました。
・少し動くと呼吸がとても苦しそう
・呼吸が苦しそうになるといつも顔のしわとしわの間や耳が真っ赤になる
・寝ているときの無呼吸症候群
・口で呼吸するときに「ガーッガーッ」と音が混ざりやすい
・いびきの音が大きい
・朝起きると吐き戻ししてあることが多い
すでに彼は1回去勢手術と鼻腔狭窄症の手術の際に全身麻酔をしたことがあったので、2回目の全身麻酔に対しての不安が本当に大きかったのですが、ワクチン8種を打った後顔にワクチン副反応が出て腫れ上がってしまったことをきっかけに手術を決意しました。
軟口蓋過長症の場合、アナフィラキシーショックが喉に出てしまうと夜に突然呼吸が止まってしまい突然死してしまう可能性があるのです。
<手術を決意したきっかけ>
・混合ワクチン8種を打った夕方にアレルギー反応で顔が真っ赤になって腫れる
・最悪の場合喉に出れば呼吸が出来ずに止まることがあると言われる
・医師の勧め
それでも今は彼は
・鼻からの空気が通った!
・クンクンすることが増えた
・散歩後など「へぇへぇ」してベロ出している時間が激減
・「ガーッガーッ」は言わなくなった
・運動や散歩後に耳や顔のしわとしわの間が真っ赤になることが激減(体温調整が出来ている)
・いびきはかくけど静かになった(前はテレビの音が聞こえにくくなるほど大きかった)
・朝吐き戻ししていることが多い(今も少なくなったがあるのでフードはふやかしてあげている)
のようにとても元気になり、こちらが思った以上に苦しい中頑張ってくれていたのかと思えるほどです。
とはいえ、手術をしなくても改善する方法もあるので手術が正しい治療法かどうかは、愛犬によって様々な答えがあります。
今回は、軟口蓋過長症とはどんなものなのか、治療法と手術代、手術をする場合としない場合のリスクと一緒に、ももきちの手術体験談をお届けします!
目次
1.軟口蓋過長症とは
軟口蓋過長症とは、鼻と口を分けている「軟口蓋」と呼ばれる部分が他の子と比べて、長くて分厚くなってしまっていて気道の入り口が塞がれて呼吸がしにくい病気です。
ただし実際の診察などですぐ判断することがなかなか難しいものだからこそ「うちの子はそうなのかな?」と心配になる方も多いのではないでしょうか。
まずは
1.フレブルが軟口蓋過長症にかかりやすい理由
2.軟口蓋過長症の進行について
3.軟口蓋過長症の場合の症状
といった勉強内容から順番にご紹介しますね。
1-1.フレブルが軟口蓋過長症にかかりやすい理由
「フレブルの歴史|ルーツを知ることでわかる気をつけるべきポイント」
の記事でもご紹介しましたが、フレブルの起源は日本がまだ江戸時代だった頃に戦闘犬だったブルドッグに由来します。
「牛と闘うための犬」としての一番の武器だった「噛む力」を最大限に発揮するため、相手を噛みながらも息を吸うことができるように鼻と口の距離を短く進化させました。
しかし外側の進化に対し、気管部分はそれほど進化していないため、気管部分が集中してしまっていて元々息がしにくいとも言われています。
だからこそフレブルを含めた「短頭種」と言われる犬種は「短頭種気道症候群」というものを生まれつき持っている子が多く、短頭種気道症候群の中に下記構造の異常を持っているのです。
・鼻腔(鼻の穴)が狭い = 外鼻孔狭窄
・気管が十分に形成されていない = 喉頭虚脱、気管虚脱
・軟口蓋が分厚くて長い = 軟口蓋過長症
1-2.軟口蓋過長症の進行について
軟口蓋過長症の進行は年齢とともに止まることはありません。
さらに、軟口蓋過長症なのか、そしてどのくらいひどいのかなどの細かいことは、愛犬に全身麻酔をかけて診てみないとわからないことが多いのです。
だからこそ飼い主が医師と相談しながらしっかり愛犬の症状を気にする必要があります。
1-3.軟口蓋過長症の場合の症状
軟口蓋過長症の子の場合は下記のような症状が出ます。
・呼吸がしにくい
・寝ているときの無呼吸症候群
・口で呼吸するときに「ガーッガーッ」と音が混ざりやすい
・いびきをかきやすい
・呼吸がしにくいから体温調整が出来ずに熱中症になりやすい
・気管が集中していて狭いため食べ物などが飲み込みにくい
・フードや泡などを吐きやすい
2.軟口蓋過長症を治す方法と相場金額
軟口蓋過長症を治す方法は全身麻酔をかけて軟口蓋を切除することです。
年齢を重ねるにつれて悪化しやすくなるので、3歳までに手術を行うことで改善率も96%まで高くなります。
反対に高齢になると改善率も69%に下がってしまうのです。
さらに短頭種が苦手とする全身麻酔をかけるため、手術前後のレントゲンなどで愛犬の健康状態を丁寧に見ながら行う必要があります。
2-1.手術代の相場
手術代の相場は4万〜8万円です。
そして手術前後のレントゲンなどの検診代も必要となります。
また手術は入院ではなく、日帰りで出来るところが多いですが、もしも愛犬の経過観察が悪い場合は入院となることもあるので注意しましょう。
3.手術をしない場合のリスクと改善できる4つのポイント
軟口蓋過長症を治す方法は手術での切除ですが、手術をしないで改善できることもあります。
ただし、軟口蓋過長症は愛犬にとって呼吸がしにくい病気であるため、重症化すると呼吸困難で突然死してしまうこともあるのです。
そのため、「手術をしない場合のリスク」と「手術をしないで改善できるポイント」はしっかりと頭に入れておきましょう。
3-1.手術をしない場合のリスク
重症になると下記のようなことが起きてしまう場合があります。
・チアノーゼという酸素不足状態になる
・呼吸困難となり、突然死してしまうこともある(アレルギー反応で喉にアナフィラキシーショックが起きたら突然死してしまうことも!)
・失神
そのため「愛犬が軟口蓋過長症だとは思わなかった」ということがないよう「軟口蓋過長症の場合の症状」でご紹介した症状がないのかについては、フレブルのお友達とも比較して注意深く見ておきましょう。
3-2.手術をしないで改善できる4つのポイント
軟口蓋過長症は気管が狭くなることで呼吸が苦しいため、手術をしないで愛犬の症状を軽くさせるためには下記4つのポイントを考えてみて下さい。
・体重を落とす(呼吸がしやすくなる)
・気管を圧迫しない(首輪は避けてハーネスにするなど)
・温度をしっかり管理する(気温だけではなくフレブルの耳の赤さなど体内温度を判断する)
・運動のさせすぎや興奮のさせすぎを避ける
大切なのは「呼吸が少しでもしやすいように」出来る対策をするということですね。
4.手術をする場合のリスク
手術をする場合、フレブルを含めた短頭種にとっての大きなリスクは「全身麻酔」です。
全身麻酔は呼吸そのものに制限をかけるものなので、ただでさえ呼吸しにくい短頭種にとっては、全身麻酔が他の犬種に比べてリスクがかなり高く、麻酔中の死亡事故の中では短頭酒が一番多いとも言われてしまっています…。
特に全身麻酔のかかりはじめと覚めてきたときに注意が必要です。
愛犬が興奮してしまうと呼吸が荒くなってしまい、喉が腫れたり心拍数や血圧が高くなることで危険要素が増えてしまいます。
さらに、麻酔をかける際の気管チューブが入れにくくなり、入れにくいことで時間がかかり、低酸素症を引き起こしてしまうことがあるのです。
全身麻酔は年齢が低いほどリスクが低くなりますが、愛犬の健康状態がとても重要となります。
そして、手術で軟口蓋を切りすぎてしまうと食べたものが食道ではなく気管に入ってしまったり、反対に切るのが甘かったらまた軟口蓋が長くなったり分厚くなって再発してしまうことがあるのです。
そのため、病院選びは慎重に行いたいですね。
5.ももきちの軟口蓋過長症手術の体験談
ももきちは軟口蓋過長症だけでなく、鼻の穴が狭い「鼻腔狭窄症」も持っていました。
そのため去勢手術と一緒にまずは鼻の穴を広げる手術を行い、様子を見て軟口蓋過長症の手術を検討しましょうということを医師と共に相談していたのです。
今回はももきちの体験談として
1.ももきちは鼻腔狭窄症と軟口蓋過長症の手術をする
2.ももきちに出ていた軟口蓋過長症の症状
3.軟口蓋過長症の手術に踏み切れなかった理由と決意したきっかけ
4.ももきちの場合の手術代について
5.入院日数
6.手術へ向けて受けた指導
7.手術について
8.手術後に受けた注意点
9.手術後10日間の経過
10.軟口蓋過長症の手術を受けて大きく変わったこと
の順番で詳しくご紹介していきますので、是非参考になれば幸いです。
5-1.ももきちは鼻腔狭窄症と軟口蓋過長症の手術をする
ももきちは病院に通い始めてから早々に鼻の穴の狭さと軟口蓋過長症を医師から心配されていました。
ただし、全身麻酔の負担を減らすために鼻と軟口蓋の手術を同時に行ってしまうと、手術後のももきちの負担が大きくなり、全身麻酔の負担よりも心配要素になってしまうので、まずは鼻腔狭窄症の手術を行い、様子を見ることになったのです。
ももきちが行った手術の内容と年齢は下記の通りとなります。
・[ももきち9ヶ月] 2021.11.6 去勢手術&鼻腔狭窄症手術(全身麻酔)→当日帰宅
・[ももきち1歳半] 2022.10.15 軟口蓋過長症手術(全身麻酔)→当日帰宅
鼻の手術後もそれほど改善されなかったももきちの「呼吸の苦しさ」。
なぜ1歳半で手術を決意したのか、細かい症状ときっかけを次でご説明します。
5-2.ももきちに出ていた軟口蓋過長症の症状
ももきちには軟口蓋過長症と思われる下記の症状がわかりやすく出ていました。
・少し動くと呼吸がとても苦しそう
・呼吸が苦しそうになるといつも顔のしわとしわの間や耳が真っ赤になる
・口で呼吸するときに「ガーッガーッ」と音が混ざりやすい
・寝ているときの無呼吸症候群
・いびきの音が大きい
・朝起きると吐き戻ししてあることが多い
ただし、これらは「フレブルだから」と、私たち飼い主は「フレブルの普通」とも思ってしまっていたのです。
フレブルのイベントや友達のフレブルと遊んだときに、ももきちにある上記の症状がとてもひどいことを知り、「これがフレブルの普通ではないんだ」と気付かされていったのです。
5-3.軟口蓋過長症の手術に踏み切れなかった理由と決意したきっかけ
鼻腔狭窄症手術を行った後でも、なかなか手術に踏み切れなかった一番の理由が、やはり全身麻酔をももきちにかけることへの負担と、「もしも目が覚めなかったらどうしよう」という不安でした。
それでも、ももきちの手術を決めたのには本当に大きなきっかけがあったのです。
ももきちが1歳を過ぎた時に打った混合ワクチン8種の注射。
午前中に打って様子を見ていると午後になってももきちがとても顔をかゆそうにし始めたのです。
するとみるみるうちに顔の半分が腫れ上がって真っ赤になっていきました。
急いで病院に行くと医師より「アナフィラキシーショックがもしも喉に出てしまったら、呼吸をすることが出来ずに、息が止まってしまうことがある」と言われたのです。
ももきちは結局病院での処置が効き、無事に自宅に帰ることができましたが、その時に「全身麻酔のリスクと軟口蓋過長症のリスク、どちらを優先すべきか」ということを夫婦で決めることができました。
5-4.ももきちの場合の手術代について
ももきちの場合の軟口蓋過長症の場合、手術代と手術前後の検診代込みで約8万円でした。
ペット保険にも加入しておりますが、私達の保険は軟口蓋過長症は「先天性もの」ということで適応外となり、全額自己負担となりました。
5-5.入院日数
ももきちの手術は日帰りでお迎えに行くことができました。
全身麻酔は手術後の経過がとても重要なので、朝一番に病院へ連れていき、預けます。
そして検査をし、問題なければ手術。
麻酔から覚めてから少しの間病院で丁寧に経過観察を行います。
軟口蓋過長症の手術後はこの時間がとても大切だと医師から聞きました。
そして、特に問題がなかったので夜のうちにお迎えすることができましたが、病院にお迎えに行くと待合室でお散歩するように先生がリードを持った状態で、外を眺めているももきちを見つけて、本当に安心して涙が出そうになったのを覚えています。
ももきちは麻酔から覚めるのが他の子に比べるととても早かったようです(2回中2回とも)
5-6.手術へ向けて受けた指導
手術へ向けて指導されたことは、体重を落とすことでした。
当時のももきちは12キロ。
そこから食事とおやつの量を減らし、運動量も無理ない範囲で増やして10.6キロに落とすダイエットに成功したのです。
医師からは「ももきちくん頑張りましたね!呼吸が心なしか楽そうですよ!」とたくさん褒めてもらい、とても嬉しそうなももきちが愛おしかったのを覚えています。
5-7.手術について
手術は口から軟口蓋を切除する方法でした。
手術方法に関しては様々なやり方があるそうなので、どの病院がどんな手術方法なのかというところも、気になる方にとっては大事な病院選びのポイントの一つかもしれませんね。
ももきちから切除した軟口蓋は実際に見せてもらうことが出来ましたが、約1cm四方弱の大きさです。
さらにももきちの場合、軟口蓋の長さはそれほど長くはなかったのですが、とても分厚く、ほとんど気道に空気が通っていないのではという程ということもわかりました。
こんなに小さい軟口蓋が彼の呼吸を妨げてしまっていたことにとても驚いたくらい、改めて10キロとはいえ、小さい小さいももきちなんだと気づかされ、私たちが守ってあげられることをしっかり見てあげないとと感じました。
こんな小さい体で精一杯呼吸を頑張ってやんちゃ坊主していたのです。
5-8.手術後に受けた注意点
手術後に受けた注意点は大きく3つです。
1.缶詰のウェットフードは傷口にフードが残ってしまうことがあるため、ドライフードをふやかしてフードの表面をツルンと飲み込みやすくする程度が理想
2.手術後の腫れから何回か吐いたり「カーッペッ」をするかもしれないこと
3.手術後数日間はお散歩も行かずに出来るだけ安静にさせてください。疲れているのでたくさん眠ると思いますとのこと
手術後用にウェットフードをいくつか用意していた私たちは、反対に良くないことなのだということに大変驚きました。
5-9.手術後10日間の経過
ももきちの手術後10日間を覚えている範囲でご紹介します。
【手術当日】
・予定より早く麻酔から覚めて元気にしてるが安静にしてると連絡
・19時過ぎに連絡がありお迎えに行くと病院の中で先生と歩きながら窓の隙間から外を見て待っててくれた
・術後の夜は夜中突然逆さくしゃみのように苦しそうにしてごはんを戻す
・帰ってきてからも痛いのかベッドで静かに丸くなって眠る
【3日目くらいまで】
・ももきちが寝ているケージがあるリビングで夫婦交代で近くで眠る
・ももきちもよく寝る
【4日目】
・何度か「カーッペッ」をする
【5日目】
・すっかり「カーッペッ」が減ってきて少しずつ元気に
【7日目】
・すっかりやんちゃ坊主に戻る
【9日後】
・レントゲン検査で結果良好で完全に術前の生活に戻っていいよと言われるが、フードふやかすと早食いが改善されてゆっくり食べてくれるので今も続けている
・傷口の糸は3週間を目安に自然に溶けていく(この時ずっとももきちの口は臭かった!)
去勢手術のときよりもずっと痛そうにしていた時間が多かったももきち。
その間におかしなことがあればすぐに病院に電話して見てもらっていました。
その時に先生から「ブル系の子は全然言うこと聞いてくれない子も時々いるけど、この子は人懐っこいし、言うこときくし、本当にいい子ですね」と言われ泣きそうになったのです。
普段のやんちゃ坊主のももきちに早く戻ってほしくて、元気がなくて辛そうな姿を見るたびに、自分たちの無力さを感じるとともに、だからこそ少しでも安心してほしいから出来るだけ近すぎない範囲で、近くにいようと決めました。
5-10.軟口蓋過長症の手術を受けて大きく変わったこと
手術後10日目以降はみるみるうちに良い変化があって、私たちも「本当に良かった…」と心から安心できて嬉しかったのです。
ももきちに起きた変化です。
・鼻からの空気が通った!
・クンクンにおいを嗅ぐことが増えた
・散歩後など「へぇへぇ」してベロ出している時間が激減
・「ガーッガーッ」は言わなくなった
・運動や散歩後に耳や顔のしわとしわの間が真っ赤になることが激減(体温調整が出来ている)
・いびきはかくけど静かになった(前はテレビの音が聞こえにくくなるほど大きかった)
・朝吐き戻ししていることが多い(今も少なくなったがあるのでフードはふやかしてあげている)
ももきちと散歩する時に会う女性がいて、手術前から軟口蓋過長症の手術をすることを伝えていたのですが、その方にそれ以降会うたびに「ももきちくん良かったねぇ。頑張ったねぇ」と頭を撫でておやつをくれるのです。
それに対して得意げなももきちを見たり、友達と遊んでも前よりも楽そうにしていたり、はしゃいでも息が上がっていない様子を見ていると、手術をして本当に良かったと思えます。
また、私にとってももきちと出会う前に飼っていたチワワのちっぷが病院に毎週くらいのペースで通っていたため、ちっぷを亡くしてから病院という場所がフラッシュバックするようで辛いときもありました。
最初は旦那に行ってもらっていたのですが、「ももきちが頑張っているのに逃げちゃいけない」と決めてから、病院でいろいろと話を聞いたりするようにしています。
私たちがお世話になっている病院は整形に強い病院で、日頃の診察の際にもたくさん会話をしてくれることが、私たちが手術を決意できた大きな理由なのかもしれません。
6.まとめ
・軟口蓋過長症とは鼻と口を分けている「軟口蓋」が長くて分厚くいことで気道の入り口が塞がれて呼吸がしにくい病気
・フレブルなど短頭種は軟口蓋過長症になりやすい
<進行>
軟口蓋過長症は年齢とともに治ることはなく悪化しやすい
<症状>
・呼吸がしにくい(寝ているときの無呼吸症候群)
・口で呼吸するときに「ガーッガーッ」と音が混ざりやすい
・いびきをかきやすい
・呼吸がしにくいから体温調整が出来ずに熱中症になりやすい
・気管が集中していて狭いため食べ物などが飲み込みにくい (フードや泡などを吐きやすい)
<治療方法>
手術(全身麻酔)→若い頃に手術すれば改善率は96%とも!
手術代相場は約4万〜8万円
<手術をしない場合>
リスク
・チアノーゼという酸素不足状態になる
・呼吸困難となり、突然死してしまうこともある(アレルギー反応で喉にアナフィラキシーショックが起きたら突然死してしまうことも!)
・失神
それらを防ぐための4つのポイント
・体重を落とす(呼吸がしやすくなる)
・気管を圧迫しない(首輪は避けてハーネスにするなど)
・温度をしっかり管理する(気温だけではなくフレブルの耳の赤さなど体内温度を判断する)
・運動のさせすぎや興奮のさせすぎを避ける
<手術をする場合のリスク>
・全身麻酔:呼吸そのものに制限をかけるためただでさえ呼吸しにくい短頭種はリスク高い
・切りすぎると食べたものが食道ではなく気管に入ってしまう
・切るのが甘かったら再発の可能性がある
<ももきちの場合>
鼻腔狭窄症&軟口蓋過長症
・[ももきち9ヶ月] 2021.11.6 去勢手術&鼻腔狭窄症手術(全身麻酔)→当日帰宅
・[ももきち1歳半] 2022.10.15 軟口蓋過長症手術(全身麻酔)→当日帰宅
出ていた症状(「フレブルの普通」とも思ってしまっていた)
・少し動くと呼吸がとても苦しそう
・呼吸が苦しそうになるといつも顔のしわとしわの間や耳が真っ赤になる
・口で呼吸するときに「ガーッガーッ」と音が混ざりやすい
・寝ているときの無呼吸症候群
・いびきの音が大きい
・朝起きると吐き戻ししてあることが多い
手術に踏み切れなかった理由と決意したきっかけ
・全身麻酔をももきちにかけることへの負担
・1歳過ぎた時に打った混合ワクチン8種に副反応が出て顔が腫れ上がった
・アナフィラキシーショックが喉に出れば突然死することもあると言われ決意
手術代
・手術代と手術前後の検診代込みで約8万円
・保険は軟口蓋過長症は先天性ということで適応外
入院日数
日帰り(朝イチで病院へ行き19時過ぎにお迎えできた)
手術へ向けて
・体重を落とすこと(12キロから10.6キロに)
手術
・口から軟口蓋を切除
・切除した軟口蓋は約1cm四方弱!小さい
手術後の注意点
1.ウェットフードは傷口に残る!ドライフードをふやかして表面ツルンとさせる程度で
2.何回か術後の腫れから吐くことがある
3.疲れているのでたくさん眠ると思うから安静にしてあげてください
10日間の経過
【手術当日】
・予定より早く麻酔から覚めて元気にしてるが安静にしてると連絡
・19時過ぎに連絡がありお迎えに行くと病院の中で先生と歩きながら窓の隙間から外を見て待っててくれた
・術後の夜は夜中突然逆さくしゃみのように苦しそうにしてごはんを戻す
・帰ってきてからも痛いのかベッドで静かに丸くなって眠る
【3日目くらいまで】
・ももきちが寝ているケージがあるリビングで夫婦交代で近くで眠る
・ももきちもよく寝る
【4日目】
・何度か「カーッペッ」をする
【5日目】
・すっかり「カーッペッ」が減ってきて少しずつ元気に
【7日目】
・すっかりやんちゃ坊主に戻る
【9日後】
・レントゲン検査で結果良好で完全に術前の生活に戻っていいよと言われるが、フードふやかすと早食いが改善されてゆっくり食べてくれるので今も続けている
・傷口の糸は3週間を目安に自然に溶けていく(この時ずっとももきちの口は臭かった!)
術後の変化
・鼻からの空気が通った!
・クンクンにおいを嗅ぐことが増えた
・散歩後など「へぇへぇ」してベロ出している時間が激減
・「ガーッガーッ」は言わなくなった
・運動や散歩後に耳や顔のしわとしわの間が真っ赤になることが激減(体温調整が出来ている)
・いびきはかくけど静かになった(前はテレビの音が聞こえにくくなるほど大きかった)
・朝吐き戻ししていることが減った(今も少なくなったがあるのでフードはふやかしてあげている)
軟口蓋過長症は必ずしも手術をすることだけが治療方法ではなく、グレード次第では体重を落としたりの工夫で改善することもあるし、SNSを見ると失敗例で大変な思いをしている子もいるのが現状で、見るたびにとても心が痛くなります。
今回の話はあくまでも「我が家の愛犬ももきちの場合」のケースの一例でしかないのです。
愛犬の年齢や持病、健康状態でその子にとって何が適した形なのかは違うので、信頼できる医師とともに納得するまで話し合うことがとても重要なのだということを、心から感じています。
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