ひび|「DOG DAYS 君といつまでも」を観てきた話
最近仕事を増やして忙しくしていて、気がつけば知り合いの方に勧めてもらった「DOG DAYS 君といつまでも」をなかなか観にいけないまま、ついに東京では上映中の映画館が2ヶ所だけになっていた。
私たち夫婦にはどこかセレブで慣れない恵比寿ガーデンプレイスに朝イチで向かう。
予定より早く着いたのに、時間潰しにウロウロしていたら楽しくなって気がつけば時間ギリギリで映画館へ。
「寝ちゃうかな〜」なんて言っていた映画は、2人とも一睡もしなかった。
そして、あまり泣かない旦那が泣いていた。
映画が終わって外に出るとガーデンプレイスはクリスマスマーケットが盛り上がっていた。
少しだけブラブラして、結局何も買わずにまっすぐ家に帰る。
「普通ならこのまま恵比寿でクリスマスデートとかするんだろうね。でも、ももきちが待ってるからまっすぐ帰ろう。お風呂入れる約束したしね。」
ももきちとお風呂に入ろうという約束をしたのもあるし、映画を観終えて少しでも早くももきちに会いたかった。
残りものでお昼ごはんを家で食べながら、ももきちも一緒に過ごす。
いつもより、より一層ももきちを愛おしく感じた。
この映画がくれた時間はとても大きなものだった。
映画の中で出た宿題のような一言を2人とも家に帰ってからも探していた。
夕飯の支度をするときにふと答え合わせの話になる。
それぞれが考えた答えが同じだった。
合っていたかはわからないけれど、私たちがこの映画でもらったもののひとつはそれだったのだ。
旦那は犬の旅立ちを見送ったことがない。
だからよく「俺はももきちが死んだら立ち直らないって決めてる」と困ったことを言ってくる。
でもきっと、立ち直らないんだと思う。
この映画がくれたものはたくさんあった。
そのひとつは、犬のまっすぐな愛情はその人の心を開き、本来持っている純粋な愛情を引き出してくれる力があるということ。
人柄や人相さえも変えてしまえるほどに。
そういえば毎日の散歩でよく会う人たちでも挨拶するまでは怖そうな人も、話してみるとすごく優しかったりする。
犬の愛情はすごい。
まっすぐで、揺らぐことがない。
いつでも純粋に想ってくれている。
人の心を動かすために「愛情」はとても大きな存在なのだ。
そして、映画の予告編でも使われていたけれど「限りある命は尊い」ということ。
考えたくないけれど、犬の寿命は私たちの何倍も少ない。
私たちもいつ何が起こるかなんてわからない。
「だからこそ今をちゃんと生きる」というよりも「だからこそ今できること、今選べることがある」というところも、この映画で受け取ったものだ。
ももきちは最近突然お散歩が上手になった。
グイグイ好奇心男だったももきちが、最近よくこちらを伺って合わせてくれることが増えたのだ。
理由を考えるといくつかあるんだけれど、旦那の散歩の仕方が前と違った。
注意してばかりだったお散歩が、褒める中心に変わっていた。
時には頭をなでたりして、ももきちもドヤ顔で嬉しそうにしたりして。
もちろんお散歩と普段とではおやつの種類を分けるとか小さな努力も重なってはいるけれど、2人だけで散歩に行くと決まってほとんどが帰りが遅い笑
そして、帰ってくるとももきちはピッタリくっついて甘えていたりする。
旦那も嬉しそうにももきちを甘やかしてる。
映画は決して「泣かせたい映画」ではなかった。
そこも好きだった。
(それでもフレブルのワンダがダッシュするシーンはたまらずに嗚咽しかけた笑)
「で、あなたはどうする?」と聞かれたような気がして、まっすぐ家に帰ったのがきっと、私たちの答えなんだと思う。
きっとキレイな景色の中でおしゃれして、豪華なディナーを食べるより、私たちにとっての幸せは家にある残り物を食べながらももきちがいてくれる家の中にあるんだろうな。
さて。お散歩に行こうか。
たくさん話をして、気分転換しにつきあってね、ももきち。