[プロに聞く!]正しい歯みがきアイテムの使い方〜フレブルは歯並びが悪かった!
少し前病院で定期検診をしてもらっているとき、先生から歯みがきの頻度を聞かれ「できれば1日1回は歯みがきしてほしいです」と言われました。
今までももきちの歯みがきは、小さい頃は毎晩夕ご飯のあとにしていて、歯みがきシートのおかげでもあり、大好きだったのですが最近では気が向いたときにしていたのが現状でした。
そこで気になった正しい歯みがき方法。そしていろいろな種類が出ている歯みがきやデンタルケアアイテムの選び方。
これはプロに聞きたい!!と思ったときに、プロの方が力を貸してくれたので気になっていることたくさん聞いてしまいました!!
まいこさんについて(@piramune)
歯科衛生士であり、ドッグデンタルマイスターという資格を持ち、国家資格である歯科衛生士の知識や経験を活かして犬の口の中の管理方法を伝えている
こちらの勉強ノートは1週間限定で無料配布プレゼント中!!
<PDFデータ>
目次
歯みがきは毎日するべき!理想の歯みがきの頻度と大切さ
まいこさん、そしてももきちの担当医も言っていた「毎日するべき!」の理由は、フレブルという短頭種特有のものがありました。
歯みがきをなぜ毎日すべきか、さらには予防できる病気や病院で診てもらうサインを学びます。
歯みがきは毎日しよう!フレブルだからこその理由
フレブルなどの短頭種は短い鼻と顎のため、口の中のスペースが限られているので、歯が生えるスペースが狭く、歯がぎゅうぎゅうに密集して生えているので歯並びが揃っていない子が多いのです。
そして歯並びが揃っていないということは汚れもたまりやすく、汚れが自然に取れることはほぼないため、歯みがきで取ってあげることが大事!
犬の口の中では3日歯みがきをしないだけで歯石になってしまったり、そのままにしておくと歯肉が腫れてしまうことになってしまいます。
人間が約20日かかると言われていますが毎日歯みがきはしますよね。
だからこそ、特に歯並びが不揃いなフレブルは毎日みがいて取ってあげることが何より大切なのです!
ちなみに愛犬の歯並びの良さや悪さは歯のかさなりやガタガタさを見ますが、不安であれば担当医に聞いてみることが一番ですね。
まいこさん曰く、ももきちの歯並びは悪くないそうです!!
Instagramで募集したフォロワーの皆さまの愛犬の「歯」に特徴があった!
先日DMで愛犬の「歯」の写真を送っていただいたところ、フレブルタイプによって特徴があることがわかったのです。
<アメリカタイプの子>
LOCOちゃん(おそらくアメリカタイプ)
ぶる丸くん(おそらくアメリカタイプ)
ポグバくん
マップくん
<ヨーロッパタイプの子>
RinRinちゃん
ジジちゃん
ブン太くん
ぶん太くん
まつかぜくん(右)
たけちよくん
あぁぁーかわいい。。
ヨーロッパタイプはアメリカタイプに比べると顔のサイズが小さいので、口の中のスペースが狭く歯並びが悪くなってしまいがちなのかもしれませんね!
「うちの子はどっちだろう?」という場合、歯並びもひとつの判断基準になりそうですね!
ハロブルで解説したアメリカタイプとヨーロッパタイプの違いの記事はこちらをご覧くださいね!
歯石と歯周病と手術
では、歯みがきをしないとどんなことになってしまうのでしょうか。
- みがき残しでの放置から3日で歯石(歯が黄色や茶色っぽい色になる)になってしまう
- 歯石を放置すると歯周病になってしまう(完治しない!&歯石は自力じゃ取れない!)▶歯石があっても毎日歯みがきできれば予防することができる
- 悪化を防ぐためには麻酔ありの手術で歯肉内の歯石を取る必要がある
- 麻酔のリスクはあるが手術で歯石を取れれば歯周病の進行を抑え、術後の歯石の再付着を防ぐこともできる
歯みがきをしない、みがき残しがあることで歯石になり、放置してしまうと歯周病が進んで羽が抜けるだけでなく、骨が溶けて目の下や鼻から膿が出たり、顎が折れたりしてしまうのです。
さらに歯周病は腎臓病、心臓病、呼吸器疾患などの原因にもなる上、治療して完治するものではありません。
一番大事なのは歯みがきで、歯石がついていても歯みがきができていれば歯周病を予防することができるのです。
しかし歯周病が進行してしまった場合、悪化を防ぐための歯石除去には、歯肉の中についた歯石を取ることが大切で、麻酔なしでは歯肉の中の歯石は取ることができません。
麻酔をかけることで犬を固定して、時間をかけてしっかりケアするので術後の歯石の再付着や、歯周病の進行リスクを減らすためにも、病気を予防するための歯石取りには麻酔ありでの手術が必須なのです。
すぐに病院で診てもらうサイン
歯石が付着しているから必ず手術しなければいけないというわけではありません。
手術すべきサインはもちろん担当医の判断次第ではありますが、
- 鼻から膿が出ている
- 歯肉の炎症がひどい
- 歯がグラグラして痛がる
- 食べにくそうにしている
などのサインがあれば手術が必要になります
正しい歯みがき方法
毎日の歯みがきが大事!よし!!と意気込んでも歯みがきやデンタルケアアイテムがたくさん出ている中で何をどう使うのが正しいのかわからないですよね。
正しいケアができるようにまいこさんに教えていただきました!
正しい歯みがきの方法
正しい歯みがきはまずは口の中に歯ブラシを入れることに慣れさせることから始めることが大事です。
- いきなり口に歯ブラシを入れずにまずは口を触って「歯みがきするよ〜」の合図を送る▶緊張させるのではなくコミュニケーションのようなリラックスの延長が◎
- 人間よりも歯が多く小さいので、一本一本優しく小さな円を描くようにみがく▶歯はもちろんだが歯と歯茎の境目を当てるように
ゴシゴシみがきは歯肉にブラシがあたって痛く、嫌がる原因になってしまうので優しくみがくようにしましょう。
プロがやっている歯みがき方法はこれ!
プロがやっている歯みがき方法が知りたい!と聞いたところ、
1. 歯みがき粉をつける|口の中の滑りを良くしてスムーズでき嫌がりにくくなる&口臭予防&キレイな口腔内の環境を維持できる
2. 歯ブラシでみがく|歯や歯と歯茎の境目の汚れを取る
3. 仕上げに歯みがきシートで拭く|歯の表面の汚れを取る&口の中を健康に保つ
こうして使い分けるのがいいのですね💡
それでは各歯みがきアイテムの種類や選び方を学びましょう。
歯みがきアイテムの種類と選び方
今は様々な歯みがきアイテムが出ていますよね。
種類別に選ぶコツや注意点をまとめます。
種類 | 選ぶコツ | 注意点 |
---|---|---|
歯ブラシ | ・人間用ではなく犬の口に合わせている犬用を選ぶ ・歯肉にあたっても痛くないようにやわらかめを選ぶ | ・かたすぎると嫌がって歯みがきが嫌いになってしまうことも ・毛先が開いたりなどでは効果がなくなるので定期的に交換を |
歯みがき粉 | ・食品成分のみを使用した歯みがき粉や化粧品規格で製造されて全成分表示されているもの▶人間とは違って犬はうがいができない! ・防腐剤(パラベンやフェノキシエタノールなど)を使用していないもの ・かおり付きは愛犬が歯みがき粉をおいしいと歯みがきが好きになるのならいい | ・日本の法律では犬の歯みがき粉は雑貨のカテゴリーになるので、全成分表示していなくても問題にならないので一部のみ表記していることもある。 ・湿潤剤として配合されるソルビドールは安全ではあるがお腹がゆるくなってしまう子も |
歯みがきシート | ・誤飲しにくい大きめサイズを ・丈夫なものを ・食品成分のみを使用した自然由来のものや化粧品規格で製造されて全成分表示されているもの | ・歯の表面の汚れは拭き取れるけど、汚れや菌が溜まりやすい歯と歯の間や歯と歯茎の境目は歯ブラシの毛先を当てないと取れないので併用が◎ |
デンタルガムやおもちゃなど噛ませるデンタルケア | 子犬やシニアの子には柔らかいもので十分 | 歯みがきにはならず、歯が折れてしまうリスクもあるので歯のケアとしてはあまりオススメしません |
歯みがき嫌いな子への対処法
歯みがきが苦手な子に対して一番大事なことは無理をしないこと。嫌がったらやめる。
まずは口を触ることからゆっくり練習することです。
- まずは口を触れるようにする
- 口を触れたら指を口の中に入れる
- 指が入れられるようになったらガーゼを巻いた指を入れる
- 3ができたら少しずつ歯ブラシを前歯からあてるようにする
嫌がらないどころか、歯みがきが好きになるためには歯みがき粉を使い、歯肉にあたっても痛くないようにやわらかい歯ブラシを使うところからはじめましょう。
ずっと毎日続けたいからこそ、無理矢理にではなく、コミュニケーションの時間にしたいですね。
まとめ
ハロブルがはじまってはじめてプロの方に質問して、疑問を解決することができました。
- フレブルは歯並びが悪いこと
- 人が20日かかるのに対し犬は3日で歯石になってしまう
- だからこそフレブルは特に毎日の歯みがきが大事
- 歯石がついていても毎日の歯みがきで歯周病を予防できる
- 歯みがき粉▶滑りを良くする 歯ブラシ▶歯と歯肉の間の汚れを落とす 歯ブラシシート▶表面をみがいて口の中を健康に保つ の役割を意識
- 大事なのは力の強さではない!強くすると痛がって嫌いになってしまう
特に、フレブルが歯並びが悪い犬種であること。
これは密かにももきちに対して心配していたことだったので、理由を知り納得したポイントでした。
さらに歯みがきアイテムの使い分け方も知らずにシートだけ続けていたので、それぞれの目的や注意点を知ることで、はじめてももきちのために正しい歯みがきができそうな気がしたのです。
歯垢がついて20日で歯石になる人間が毎食後に歯みがきを心がけているのに対し、3日で歯石になってしまう犬が毎日歯みがきしないのはありえないというのも衝撃的でした。。。
ももきちはすでに2回全身麻酔での手術を乗り切っています。
しかし全身麻酔のリスクが少し心配なフレブルだからこそ、我々の力で防げることはしっかりケアしてあげたいですね。
まいこさん、ありがとうございました!!!