たくさん話しかける言葉はきっと伝わっていると信じている話
ももきちはわが家に来てくれた日から、1人でケージで眠る。
「犬とは別々に寝たほうがいい」と学んだ旦那が、「今までちっぷと一緒に寝てたし」という私の願いを「来てすぐは不安だろうし、ね?」と説得して、そのままだ。
そのため、しばらくはケージの外=遊び場のように考えていたのか、ケージの外で眠ることは一切なかった。
もともと持っていた性格なのか、眠るときには誰もいない玄関に行ってみたり、私たちの姿が見えないところで隠れるように寝てた。
私はそれが少し、さみしかった。
そこで少しずつ「ケージの外でもゆっくりしていいんだよ」を教えて、一緒に遊ぶだけじゃなくて、一緒にぐうたらする時間も大事にした。
気がつけばももきちはもう3歳半。
今では迎えたときより在宅仕事が増えた私の環境もあってか、私たちの真横で爆睡する。
疲れたら一緒に添い寝して、
私が起きて仕事していれば太ももにぴったりくっついてきて、
私がトイレに立てば急いで起きて寝ぼけてついてきて、
私の腕を枕に眠っていたりする。
「重いよ〜」と、ももを枕にすると嫌がってすぐ逃げてたももきちも、今ではすっかり枕をしてくれる。
BULUBULUさんとのインタビューでおゆみさんが「世話をしているつもりもないし、立場が下とも思っていない」と言ったけど、本当にそう思う。
「もも疲れた〜」とくっつけば、体温の高いもものあったかさに、本当に安心できる。
自分以外にこんな存在がそばにいてくれることが、本当に何よりも安心できる存在だなぁと思う。
私は思った以上にももきちに普通に話しかけてる。
席を立つときも「トイレ行ってくるからね」「洗濯物干してくるからね」「仕事行ってくるけど夕方には帰るから寝ててね」とか。
これはちっぷファミリーと暮らしていたときからのクセだけれど。
眠る前も、必ずももきちに
「もも、大好きだよ。長生きしてね。うちに来てくれてありがとう」と伝えて寝室に向かう。
最近ももきちはこの言葉のときに爆睡していても、目をあけて「ぶぅ」と返事をしてくれるのだ。
犬は言葉がわかるという。
ももきちに言葉が伝わっていると疑わずに、今日もたくさん話しかける。
散歩中だって「今日は気持ちいいねぇ」とか「まだ歩ける?」とか、一人でいてもどんどん話しかける。
旦那はこの前「俺よりまりちゃんのこと好きなのは、まりちゃんがたくさん話しかけるからかもね」と、さみしそうに笑ってた。
そんな旦那が座るソファの隣におしりをくっつけて座るももきち。
ももきちなりにいろいろ旦那に伝えているんだろうな。
私たち夫婦の毎日に笑顔と癒やしがあるのは、ももきちのおかげでしかない。
夫婦も長くなってくれば、一緒に暮らしていればそりゃあうまくいかない日だってある。
ももきちに対してきつく叱ってしまう日だってある。
だけど。ももきちはぶれない。
ももきちはいつだって、まっすぐに愛情を向けてくれている。
だからちゃんと眠る前には毎日、自分の真ん中にある気持ちを伝えていたいと思うのだ。
もともと祖先は狼だった犬。
今では絶滅に近い狼が犬に進化し、今も生き残っているのは、犬は人間と信頼関係を築き、一緒に生きることで生き残ってきた賢い動物と、どこかで見たことがある。
犬と人間は「一緒に」生きていく。
人間の持ち物でも、飾りでもない。
一緒に生きていく相棒なのだ。
朝の散歩ではりきりすぎて、1日疲れてよく眠るももきちのいびきを聞きながらこれを書いている。
こんな平和な時間が、少しでも長く続きますように。