ももきちとおじちゃんの思い出

私には昔から大好きな家族がいる。
家族ぐるみであったかくて、愛にあふれている。

それほど遠くないその家族の家に遊びに行くときには、
なんとなくももきちは留守番させていた。

ある時、その家族のおじちゃんは私たちに言ってくれた。
「ももきちにも会いたいから今度連れておいで」と。

それからはももきちと一緒にその家族に会いに行った。
犬も大好きで、ももきちごとあったかく迎えてくれたのが嬉しかった。

おじちゃんは昔からすごくかわいがってくれていた。
私の父は53歳で亡くなっているので、
「もしまりがいつか結婚式挙げるなら俺がバージンロードを歩くから!」と
いつか一緒に泣きながら話したことは、私にとって大きな支えになっている。

そのおじちゃんは病気になってしまった。
余命宣告も受けてしまい、それを全部おじちゃんにも話したという。

おじちゃんは何度も連絡してきてくれた。
「ももも一緒に連れておいで」と何度もあたたかく迎えてくれた。

ももきちはその度に嬉しそうで、
全然休むことなくその家族のいろんなところに行っては愛想を振りまいていた。
おかげで彼はすっかり遠出や車が大好きになった。

おじちゃんはこの前、旅立った。
最期まで本当に愛にあふれてて、立派だった。

余命宣告を受けた年を超えて闘い抜いたおじちゃん。
その毎日はどれだけ怖かっただろう。
どれだけ不安だっただろう。

そして「覚悟はできていたので」と泣きながらも私たちにあいかわらずやさしい家族は、
どれだけ怖かっただろう。
どれだけ不安だっただろう。

家族はその間、したいことをたくさんできたと話してくれた。
その中に私や妹や母はもちろんだけど、
その家族がももきちまであたりまえに想ってくれていることが何より嬉しかった。

本当に強い人、本当に優しい人はこういうことを言うんだろうな。

おじちゃんとのお別れの日、ももきちは留守番させた。
全て終えて家に帰ったときももきちは何もわからずに無邪気に大喜びして待っててくれた。

家に帰ると、ももきちはいつも以上におもちゃを私たちに持ってくる。
気がつけばももきちのケージにあるおもちゃが全員集合になるくらい。

犬がおもちゃを持ってくるのは飼い主を笑顔にしたいからだと調べたことがあった。
本当のことはわからないけど、ももきちなりに感じるものがあったのかな。

おじちゃんには愛をたくさん教えてもらった。
ももきちごとたくさん愛してくれた。

私たちは、いつの間にか家族になったんだと誇らしく思えたし、
おじちゃんにももきちを会わせることができて、本当に良かった。

またももきち連れて、会いに行くね。

今回は少し話がずれてしまうかもしれませんが、
休んでいた間に起きた大切な思い出を忘れないように。

命ある私たちには、もっとできることがある。

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