アルマゲドンと耳たぶをかじるももきち

すこし前、テレビをつけたらアルマゲドンをやっていた。
途中から見たくせに、エンディングでしっかり感動していたときのこと。

ももきちが急いで私のところまで走ってきて、
私の顔を一生懸命舐めてくれた。

ももきちはそんなことしてくれないと思ってた(ごめんももきち笑)

でも、予想に反していつもより一生懸命、必死に舐めてくれた。
そして彼はなぜかそんなときは、私の耳たぶを必死に甘噛みする。
いつからそんなことをするのか全くわからないけれど。

気がつけば私の周りはももきちが置いていくおもちゃばっかりになっていて、
ももきちはもう1人遊びに夢中になっていた。

落ち込んでいるときにももきちと散歩に出ても、
もちろん特に彼は気づくそぶりもなく、
振り返りもせずにいつも通りリードをひっぱってはりきって進む。

「そりゃそうだよね笑」と自分に突っ込みながら散歩をして、
帰ってくる頃には気持ちがすこしすっきりする。
ももきちはそんな心の流れを知ってか知らずか、
散歩終わりでもおもちゃを持ってくる。

ももきちは私以外の人で会えたときにはいつも嬉しそうに必死にその人の耳たぶを甘噛みする。
すこし前からその理由がわからずに、いつも謝りながらなんでだろうってかんがえてた。

アルマゲドンで泣いた私の耳たぶをなんであんなに必死に甘噛みしたかは、
まだまだ彼の気持ちに届きそうもないけれど、
「大好きだよ!!」の気持ちの表れだと信じてみることにした。

一緒に暮らしていてもわからないことは多い。
落ち込んでいることはわかっても、どんな言葉をかければいいのかわからないときもある。
どんな言葉でも気持ちを救ってあげることはできないなと思うことさえある。
だから静かに、大好きなおかずを作ったり、
帰る頃にちょうどいい温度で味噌汁を出せるようにしたり、
お風呂を丁寧に掃除してバスタブを置いておいたり、
大好きなデザートを買って帰ったり。
できるだけちゃんと「おかえり」「おやすみ」を言ってみたり。

もう少しよりそって欲しい時や、
「こうして欲しい」って思っていることはお互いにあるかもしれない。
ももきちも、私たち人間も。

だけど一緒に暮らして、一緒にいつも通りのことをして、
その中でいつもよりスッキリする瞬間や、
声をかけるだけで少しホッとするような時間があることこそ家族なのかもしれない。

どうってことはない寄り添い方だけど、
家族だからこそできること。

ももきちはまっすぐに走ってきてくれる。
彼はいつだってまっすぐにこちらを見ててくれる。

私たちも彼にもっともっと寄り添っていたいと思って、
「ももきち〜うちにきてくれてありがとう〜」と抱きしめてみる。
ももきちは静かに抱かれて、
私が手をゆるめると急いでソファにあがっておすわりしてる。

こんなどうってことはない寄り添い方を、
これからもずっと、できるだけ長く過ごしていこうね。

ももきちが一生懸命向き合ってくれる分、
私も少しでもたくさん、気持ちを言葉にして伝えるからね。