フレブルと椎間板ヘルニアを知る①〜症状とサイン編
フレンチブルドッグがなりやすい「椎間板ヘルニア」
お友だちのたみおが発症したことをきっかけに、今まで後回しにしてしまっていたフレブルのヘルニアについて調べてみると、SNSやYouTubeでも多くのフレブルちゃんたちが闘っているものだということを改めて痛感しました。
ヘルニアにはグレードがあり、重度だと下半身が麻痺してリハビリを重ねている子も本当に多いもの。勉強不足すぎたことを反省し、まずは第一弾として
- 「椎間板ヘルニア」がどういうものなのか
- フレンチブルドッグが発症しやすいと言われているのはなぜなのか
- どんな症状が出るのか
- 出たらどうすればいいのか
- 椎間板ヘルニアはペット保険の対象なのか
について学びたいと思います。
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目次
椎間板ヘルニアとは?
椎間板ヘルニアとは脊髄と脊髄の間にあるクッション状の椎間板という軟骨が壊れて飛び出してしまうことです。
飛び出してしまうことで痛みや麻痺を引き起こし、重度になってしまうと足の麻痺やおしっこやうんちが出せなくなることもある代表的な神経疾患で、自然治癒することはありません。
さらに症状が進行すると一気に重度になってしまうことも多いため、できるだけ早く気付いて病院で診てもらうことがとても重要なんです。
また椎間板ヘルニアは腰だけではなく、首や背骨になることもあります。
なぜ椎間板が壊れてしまうの?
椎間板ヘルニアの原因である「椎間板」がなぜ壊れて飛び出してしまうのか。原因は大きく6つあります。
- 遺伝
- 年齢
- 体型や体重
- 急激な運動
- 運動不足
- ケガ
つまり元々持っている椎間板ヘルニアの危険度に、年齢や太ること、運動のしすぎやしなさすぎること、ケガなどで椎間板へかかる衝撃や負担が大きくなってしまうことで壊れてしまうのです。
フレンチブルドッグは椎間板ヘルニアになりやすい?!
椎間板ヘルニアには「ハンセン1型」と「ハンセン2型」の2種類があります。
種類 | 内容 | 発症しやすい犬種 |
---|---|---|
ハンセン1型 | 若い年齢のうちに発症することが多いヘルニア | 軟骨異栄養犬種 フレンチブルドッグ、パグ、ペキニーズ、ミニチュアダックスフンド、シーズー、ウェルシュコーギー、トイプードル、ビーグル、コッカースパニエルなど |
ハンセン2型 | 年齢を重ねるごとに発症リスクが高まるヘルニア | 柴犬、トイプードル、パピヨン、マルチーズ、レトリバー、ミニチュアピンシャーなど |
フレンチブルドッグは「軟骨異栄養犬種」と呼ばれる犬種な上、もともと骨に奇形を持っている子も多いため、2歳前後で椎間板ヘルニアを発症するリスクが高い犬種なのです。
<軟骨異栄養犬種とは>
- 2歳前後で椎間板が変形しやすい(通常年齢を重ねるごとに椎間板が変形する)
- 背骨が短かったり、体が長かったりと犬種特有の体型が椎間板への負担を大きくしてしまう
椎間板ヘルニアにはグレードがある!グレードごとの症状と治療方法
椎間板ヘルニアにはグレードが5段階あり、それぞれ症状や治療方法が違います。
グレード1 | グレード2 | グレード3 | グレード4 | グレード5 | |
飛び出し状態 | 軽い刺激程度 | 軽い | 重度 | 非常に強い | 完全に圧迫 |
症状 | 時々痛い | 筋力低下 ふらつき 足を引きずる 足の甲で歩くようなナックリングを起こす | 後ろ足を動かせなくなる しびれを感じる | 後ろ足が麻痺して歩けなくなる おしっこができない | おしっこができない 痛みを感じない |
治療方法 | 保存的療法 抗炎症薬の投与 | 保存的療法 手術の勧めも | 手術 | 手術 | 発症から早い時間に手術 |
内科治療の成功率 | 100% | 100% | 95% | 90% | 50% |
外科治療の成功率 | 100% | 84% | 100% | 50% | 7% 発症後48時間以降 6% |
リハビリ | 術後に必要 | 術後に必要 | 術後に必要だが歩けるようになる確率は低くなってしまう |
ただしフレブルを含む「軟骨異栄養犬種」はグレードの進行速度も早く、昨日まで1だったのに朝起きたら4になっていることも少なくありません。
どれだけ早く治療を行えるかで成功率も変わってしまうので、できるだけ早く病院に行けることが大事です。
椎間板ヘルニアに似た脊髄軟化症という怖い病気も
グレード4、5に進行した場合「脊髄軟化症」という病気を発症するケースもあります。
これは脊髄に大きなダメージが入ることで脊髄が壊れてしまい、周りの脊髄までどんどん壊死してしまう進行性の病気です。
そのため、最初は後ろ足のみの麻痺だったものが、前足の麻痺や呼吸中枢まで麻痺してしまうため、呼吸困難で1週間以内に命を落としてしまう怖い病気を引き起こすことがあります。
さらに恐ろしいのは現在の獣医学ではこの治療法も確率されておりません。
しかし、進行を止める手術の成功例も発表されていることなど、日々進歩している獣医学に期待して諦めずに医師に相談することが大事ですね。
こんな症状が出たら注意!愛犬からのサイン&サインが出たら大事なこと
愛犬からのサイン
椎間板ヘルニアを知らせるために愛犬が出してくれるサインを紹介します。
<軽度>
- 動きがにぶい
- 端っこで丸くなって静かにしている
- 段差やお散歩・運動を拒否して動かない
- 抱っこを嫌がる&抱くと「キャン」と鳴く
- 異常に手足を舐める
<進行している症状>
- 足がふらつく
- 歩き方がおかしい&いつもと違う
- 食欲がない
- 足を引きずるなど動きがおかしい&麻痺が出ている
- おしっこやうんちがうまくできない
軽度の症状は普段の生活では我々も「ん?どうした?」で見過ごしがちなので注意が必要なのですね。
サインが出たら大事なこと
椎間板ヘルニアは症状の進行がとても早いため、気になることがあればできるだけ早く病院に行くことが何よりも重要。
ももきちの場合も先生より
「この子は骨の奇形があるけど、やんちゃな子だからなかなか注意しきれないこともきっとあると思う。だから、もしもおかしな症状が出ればできるだけ24時間以内に来て」
と言われたこともあったり、発症したたみおの話を聞いても「おかしいな」からMRI待ちの段階で一気に悪化したなど、一気に進んでしまうのが椎間板ヘルニアの恐ろしさ。
さらに、もしも腰のヘルニアになった場合には、サインが一切ないまま麻痺が出ることもあるそう。
何かあればすぐに病院に行けるように、かかりつけはもちろん、夜間の場合にどこに行けばいいかなどをかかりつけに相談するなどで、準備しておくことも大切なのですね。
椎間板ヘルニアはペット保険の対象なの?
椎間板ヘルニアのグレード3以上だとMRIや手術代などの治療費も高額になってきますが、ペット保険会社により椎間板ヘルニアを対象としているかどうかが異なるので、事前に確認しておきましょう。
治療費用の相場として
治療の種類 | 平均相場 |
---|---|
内科治療 | 5〜12万円 |
外科治療 | 30~50万円 |
手術が必要な外科治療は、手術をするために必要な血液検査や入院代費用も含めて必要となりますが、ペット治療はペット治療に入っていない限り、全額自己負担となるので大きな出費にもなりますね。
椎間板ヘルニアは特に再発の可能性も高いのと、すでに症状が出ている場合は乗り換えることもできないケースがあるので、元気なうちに対策しておきたいですね。
まとめ
- 椎間板ヘルニアとは脊髄と脊髄の間にあるクッション状の椎間板という軟骨が壊れて飛び出してしまうこと
- 飛び出すことで痛みや麻痺、排尿障害を引き起こす
- 自然治癒することはない
- フレブルは椎間板ヘルニアを2歳前後で発症しやすい犬種
- 発症すると一気に進行してしまうことも
- 最悪の場合「脊髄軟化症」になり亡くなってしまうこともある
- 回復率をあげるためには少しでも早く病院での治療を行うことが重要
今回はどんな症状が出るのかなどの「椎間板ヘルニアとは」の部分に重点を置いて勉強しました。
そして
- 具体的にどんなことに気をつけるべきなのか
- リハビリはどんなものがあるのか
など、まだまだヘルニアについて知りたいことがたくさんあります。
なんとなく知っていた「フレブルは椎間板ヘルニアになりやすい」というどこか他人事にも思ってしまっていた情報と、今回たみおのおかげでようやく向き合えた気がします。
そして、向き合えたときにももきちの担当医に言われた
「この子は骨の奇形があるけど、やんちゃな子だからなかなか注意しきれないこともきっとあると思う。だから、もしもおかしな症状が出ればできるだけ24時間以内に来て」
が、よりずっしりと重みを増しました。
我々が気をつけて防いであげられること、少しでも健康に長く一緒にいるためにできることの1つとして、引き続き向き合っていくとともに、気をつけられることから、ももきちと一緒に改善していきます。
対策編、そしてリハビリ編も引き続き更新していきますね。